居酒屋チェーンの「鳥貴族」は、ことし7月までの決算で最終的な損益が赤字に転落する見通しとなりました。低価格路線で店舗網を広げてきましたが、おととし秋の値上げが客離れを招いたとしています。
鳥貴族は8日、ことし7月までの1年間の業績見通しを引き下げ、最終的な損益がこれまでの7億円の黒字から、3億5000万円余りの赤字になる見込みだと発表しました。実際に赤字になれば、5年前の上場以来、初めてとなります。
鳥貴族は平成元年以降、焼き鳥やビールなどすべてのメニューを一律、税抜き280円で販売し、首都圏や関西を中心に店舗網を拡大してきました。
しかし、人手不足を背景とした人件費の高騰などを受けて、おととし10月、28年ぶりに18円の値上げに踏み切ったことで、競合する外食チェーンなどに客を奪われる形となったということで、既存の店舗の売り上げは14か月連続で前の年の同じ月を下回る状況になっています。
会社では今回の業績悪化を受けて、再来年7月までに店舗数を現在のおよそ670店から1000店にまで増やすなどとした中期経営計画を取り下げるとしています。
そのうえで、新たな出店を一時取りやめて店舗網を整理するほか、メニューも見直して業績の立て直しを図りたいとしています。
このところ、身近な食品や外食チェーンで値上げの動きが相次いでいますが、消費者の節約志向の根強さが浮き彫りになった形です。
-- NHK NEWS WEB