ヨーロッパで中国によるインフラやハイテク産業などへの投資への警戒感が強まるなか、イタリア政府が中国の巨大経済圏構想「一帯一路」への参加を検討していることがわかり、懸念も出ています。
イタリア政府の高官は今月6日、複数のメディアに対し、今月下旬に中国の習近平国家主席がイタリアを訪問する際に、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」についての覚書を交わす可能性があると述べ、イタリアが「一帯一路」への参加を検討していることを明らかにしました。
そのうえで覚書について、インフラなどの分野への投資を促すもので、「契約でも義務でもない」と説明しました。
ロイター通信によりますと、EU=ヨーロッパ連合の加盟国のうち債務危機に陥ったギリシャやポルトガルなどが中国と「一帯一路」の覚書を交わしていますが、イタリアが署名すればG7・主要7か国では初めてになるということです。
EUは、中国によるインフラやハイテク産業などへの投資に警戒感を強め、中国を念頭に域外の企業による投資を審査する制度の導入などを決めています。
EUの報道官は7日、「中国と新たな政策を進めるうえで、すべての加盟国はEUのルールや政策に沿い、EUの結束を尊重する責任がある」と述べ、具体的な評価は避けながらも、イタリアの政府の方針が加盟国の足並みの乱れにつながりかねないことに、懸念を表明しました。
-- NHK NEWS WEB