イタリアで貴重な文化財に書かれた落書きをレーザー光線で消す新たな機器が登場し、注目を集めています。
この機器は、イタリア中部の古都フィレンツェで、文化財を清掃するボランティア団体が導入したものです。
片手で持つことができるほどの大きさで、石造りの壁やフレスコ画、銅像などにレーザー光線を当てると、表面を傷つけずに落書きを消すことができます。地元のレーザー機器メーカーが、およそ800万円をかけて特別に製造し、寄贈しました。
ボランティア団体は早速、14世紀で造られフィレンツェ最古の橋で知られる「ベッキオ橋」でこの機器を使い、観光客が書いたと見られるハートマークや日付けにレーザーを当てると、落書きがみるみる消えていきました。
ただ、10センチ四方の落書きを消すのに20分はかかるということで、ボランティアの女性は、「若者が気軽に書いた落書きを消すのにどれほどの時間と手間がかかるのか、見せてやりたいです」と話していました。
-- NHK NEWS WEB