スポーツ用品大手「デサント」は、大手商社「伊藤忠商事」による株式の公開買い付けが終了したあとの協議で、伊藤忠から石本雅敏社長の退任を要求された場合、受け入れる方向で検討を始めていることが分かりました。
デサントをめぐっては、筆頭株主の伊藤忠商事が経営体制の見直しを求めて、株式の保有比率を現在のおよそ30%から、最大で40%に引き上げることを目指してTOB=株式の公開買い付けを進めていて、デサントは反対を表明しています。
公開買い付けの期間は今月14日までですが、デサントは、伊藤忠の株式の保有比率が、株主総会で経営の重要事項について拒否権を持つ3分の1を超えるのは確実とみられるとしています。
このためデサントは、公開買い付けの終了後、伊藤忠との協議で石本社長の退任を求められた場合、受け入れる方向で検討を始めていることが分かりました。
一方で、デサントは、社外取締役を増やすなどして経営の透明性を高める体制を伊藤忠に提案したい考えで、石本社長の退任もやむをえないという姿勢を示すことで、公開買い付けの終了後の協議で早期の関係正常化を図りたいねらいがあるものとみられます。
-- NHK NEWS WEB