賃貸不動産大手の「レオパレス21」の建物に施工不備が見つかった問題で、補修のため退去を求められた入居者の引っ越しが始まっています。入居者からは会社側の対応への不満の声が上がっています。
レオパレス21の建物では、天井の耐火性能が法律の基準を満たさないなどの不備が相次いで明らかになり、特に危険性の高い641棟の入居者およそ7700人が補修のため退去を求められる事態となっています。
こうした入居者の引っ越しが各地で始まっていて、このうち10日は埼玉県内の27歳の会社員の男性が近くにある別の会社の物件に引っ越しをしました。男性は、先月、レオパレス21から天井の耐火性能に問題があり3月中に転居してほしいと連絡を受けました。当初、新たな住まいの敷金などを含め、引っ越しにかかる費用を立て替えるよう求められましたが、交渉の結果、ほぼ立て替えなしでレオパレスが負担することになったということです。男性は「仕事をしながら引っ越しをしなければならず大きな負担です。何よりも1年半暮らしていた部屋の耐火性能が不十分だと知り恐怖と怒りを感じています」と話していました。
引っ越しは各地で始まっているとみられますが、どれくらい進んでいるかについて、レオパレス21は「回答できない」としています。
NHKが複数の入居者に取材したところ、依然、転居先が決まっていない人も多く、引っ越しにかかる手続きを考慮すると、会社が求めている今月中の退去は難しい見通しです。
-- NHK NEWS WEB