中国の中央銀行、中国人民銀行の易綱総裁は、中国が輸出品の価格を抑えるために人民元を元安に誘導しているのではないかという指摘が出ていることについて、「為替レートを輸出拡大に利用することはない」と述べ、否定しました。
アメリカでは、中国との貿易摩擦が激しさを増す中、中国が、自国の輸出を有利にするため、外国為替相場に介入するなどして人民元を元安に誘導し、輸出品の価格を抑えているのではないかという指摘が出ています。
これについて中国人民銀行の易綱総裁は10日の記者会見で「われわれは為替レートを競争目的で利用しないし、輸出拡大や貿易摩擦の道具として使うこともない」と述べ、否定しました。そのうえで易総裁は、先に行ったアメリカとの閣僚級の貿易交渉でも為替について意見を交わしたことを明らかにしたうえで、「米中は、鍵となる多くの重要な問題で、共通の認識を持っている」と述べ、アメリカ側との意見の隔たりは小さいという認識を示しました。
貿易交渉について、アメリカのトランプ大統領は、中国の習近平国家主席との首脳会談で、最終的な合意を目指す意欲を示していますが、国有企業に対する中国政府の優遇策の見直しなどをめぐって、隔たりは埋まっていません。
-- NHK NEWS WEB