東日本大震災から8年となるのを前にNHKが岩手・宮城・福島の被災者にアンケートを行ったところ、5割余りの人が震災前と比べて収入が減ったと回答しました。街や住まいの復興が進む一方で生活ぶりは厳しく、暮らしの再建が課題となっています。
NHKは去年12月からことし1月にかけて、岩手・宮城・福島の被災者や原発事故の避難者など、合わせて4400人余りにアンケートを行い、全体の36%にあたる1608人から回答を得ました。
この中で、現在の収入が震災や原発事故の影響を受けているか聞いたところ、震災前と比べて「収入が減った」という回答が53.9%と半数を占めました。「震災の影響はない」が25.6%、「収入が増えた」が5.3%でした。
収入が減った理由について、複数回答で尋ねたところ、
▽「職を失った」が最も多く35%に上ったほか、
▽「行政などの支援が減った」が13.9%、
▽「転職・転業で給与が下がった」が11.8%、
▽「事業の不振」が11.3%、などとなっています。
収入が減ったことによる生活への影響について複数回答で尋ねると、
▽「趣味やレジャーを減らした」が61.5%、
▽「食費や水道・光熱費を削った」が52.5%、
▽「生活を維持するために借金をした」という回答も6.8%ありました。
街や住まいの復興が進む一方で、生活ぶりは依然として厳しい人が多く、暮らしの再建が課題となっています。
自由記述の中で、岩手県宮古市の62歳の女性は「なりわいのためにした借金の返済を滞らせるわけにはいかないが、思い描いていたほどの売り上げには至っていない。あすの支払いをどうしようかということで頭がいっぱいだ」とつづっています。
仙台市の災害公営住宅に住む69歳の女性は「10年後には家賃が3倍に増えると説明を受けました。家を失い、医療や介護の自己負担が増える中、年金だけで暮らしていけるか不安です」と回答しています。
-- NHK NEWS WEB