日産自動車と三菱自動車工業、それにルノーの3社が12日共同で記者会見を開き、カルロス・ゴーン前会長の一連の事件を踏まえて体制を見直し、経営トップ4人でつくる新たな会議を設けることなどを正式に発表しました。また、ルノーのスナール会長は焦点になっていたゴーン前会長の後任の日産の会長への就任は求めないことを明らかにしました。
これは3社連合の日産の西川廣人社長、三菱自動車の益子修CEO、それにルノーのスナール会長とボロレCEOの経営トップ4人が12日、横浜市で共同で記者会見を開き明らかにしました。
それによりますと、今後の連携を推進していくために、4人の経営トップを中心とした新たな会議として「アライアンスオペレーティングボード」を設けるとしています。議長にはルノーで提携を担当するスナール会長が就任します。
この会議はこれまでのオランダにあった統括会社2社に代わって、連携の実務と企業統治を監督する唯一の機関と位置づけ、毎月、パリか東京で開催するとしています。
3社は一連の事件を踏まえて、権限が集中していたゴーン前会長の体制から脱却し、合議制によって連携を強化することで、自動車業界が車の電動化などの変革期を迎える中で、立て直しを急ぐ考えです。
これについて新しい会議の議長をつとめるルノーのスナール会長は、「将来的にアライアンスを強化するものであり、再び力を結束することを決めた。新しいステップに踏み出す新たなスタートになる」と述べました。
また、ルノーと日産の資本関係の見直しを協議しなかったのか、問われたのに対してルノーのスナール会長は、「きょうのポイントではない。アライアンスボードの議長として、3社の将来の取り組みに集中していきたい」と述べました。
さらにルノーのスナール会長は「私は日産の会長になろうとは思っていない。私は副議長の候補に適している」と述べ、焦点になっていたゴーン前会長の後任となる日産の会長への就任は求めず、取締役会副議長につく予定であることを明らかにしました。
これについて日産の西川社長も「アライアンスの安定化・推進にとって非常に大きな一歩だ」と述べ、評価しました。
今回の発表によって、一連の事件のあと、焦点となっていた日産の新しい会長人事やルノーとの連携については一応の決着をみた形になりました。
一方、ゴーン前会長の不正についてルノーのスナール会長は、「私は判事ではないので言う立場にはない。重要なのは将来に目を向けることだ」と述べました。
また、保釈されたゴーン前会長がルノーの取締役会への出席の許可を求めた場合にどう対応するかと問われたのに対し、スナール会長は、「今はそういった状況にはなく、きょう回答するのは、適していない」と述べました。
-- NHK NEWS WEB