国会は、参議院本会議で2日目の代表質問が行われ、安倍総理大臣は、アメリカのトランプ大統領がTPP協定からの離脱を決めたことなどに関連して、世界経済の成長には自由貿易体制の推進が欠かせないとして、ほかの経済連携の実現にも積極的に取り組む考えを示しました。
公明党の山口代表は「アメリカのトランプ大統領のTPP=環太平洋パートナーシップ協定からの離脱方針や、イギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱を踏まえ、わが国の通商戦略や海外進出する日系企業への影響が懸念される中、2国間、多国間の経済連携をどう進めるのか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「自由で公正な共通ルールに基づく自由貿易体制こそが世界経済の成長の源泉だ。TPP協定に結実した新たなルールは、今後の通商交渉におけるモデルとなる」と述べました。そのうえで、安倍総理大臣は「日本とEUのEPA=経済連携協定のできるかぎり、早期の大枠合意を目指すとともに、RCEP=東アジア地域包括的経済連携、日中韓FTA=自由貿易協定などの交渉で、質の高い協定を目指していく。コロンビアをはじめとする2国間の経済連携協定にも積極的に取り組み、自由貿易の推進に全力を尽くしていきたい」と述べました。
また、安倍総理大臣は、去年開催を見送った日本、中国、韓国の3か国による首脳会議について、「わが国は、議長国として引き続き日程調整に意を用い、本年のできるだけ早い時期に日本で開催できるよう努力していく」と述べました。
共産党の小池書記局長は、沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設計画をめぐって、「名護市辺野古の美しいさんご礁を埋め立てて、海兵隊の新基地建設が強行されている。これは、アメリカ軍基地を世界への殴り込みの一大拠点として、抜本的に強化・固定化するものにほかならない」と批判しました。
これに対し、安倍総理大臣は「辺野古移設によって、世界で最も危険と言われる普天間飛行場は全面返還される。アメリカ軍基地を抜本的に強化・固定化するものだとの指摘は全くあたらない。沖縄の基地負担の軽減を図ることは、政府の大きな責任であり、この思いは国も沖縄も変わらないはずだ。引き続き、地元の理解を得る努力を続けながら、全面返還に向けて全力で取り組んでいく」と述べました。
-- NHK NEWS WEB