およそ半年後に迫った消費税率の引き上げに向けて、外食や小売の業界では商品の価格表示を見直す動きが相次いでいます。
牛丼チェーンの「吉野家」は、今月から国内すべての店舗で価格の表示方法を改めました。
これまでの表示は税込み価格だけでしたが、新たに税抜きの価格も併せて表示するようになりました。
ことし10月の消費税率の引き上げに伴う軽減税率の導入で、同じ牛丼でも店内で飲食する場合は10%、持ち帰りの場合は8%と、税率が変わります。
一方で、税込みの価格を同じにすることも認められていて、10月以降の対応を検討する中で、試験的に表示方法を改め、利用客の反応を見極めたいとしています。
吉野家ホールディングスの寺澤裕士広報課長は、「軽減税率の導入後にお客様が戸惑わないよう、引き続き価格表示の検討を進めたい」と話していました。
また、流通大手の「イオン」は、今月から税込み価格の表示を小数点第2位まで表示するようになりました。
消費税率の引き上げに向け、レジでの精算をいわゆる外税方式に切り替えたことに伴うもので、一般的な食品と酒などで変わる税率に対応しやすく、消費者に正確な税額を伝えられるようになるとしています。
一方、大手デパートの「高島屋」は、来年春の入学に向けた新作ランドセルのカタログで価格の表示方法を「本体価格+税」という表示に変更します。
カタログは10月以降も使うため、消費者の誤解がないようにしたということです。
およそ半年後に迫った消費税率引き上げと軽減税率の導入に向けて、最適な価格表示の在り方を模索する動きが広がっています。
-- NHK NEWS WEB