13年前、東京消防庁の福生消防署で勤務していた46歳の消防士が自殺したことをめぐり、遺族が起こした裁判で、東京地方裁判所は、業務によってうつ状態となったのが自殺の原因だとして、民間企業の労災にあたる公務災害と認める判決を言い渡しました。
平成18年、東京消防庁の当時46歳の男性消防士は、人事異動で福生消防署の係長になったおよそ2か月後に自殺し、遺族が業務でのストレスが原因だとして、民間企業の労災にあたる公務災害に認定するよう求めていました。
18日の判決で、東京地方裁判所の川淵健司裁判長は、「異動の直後で忙しい時期にもかかわらず、署長から訓練で使うヘリコプターの運航の手配など、自分の担当と関係のない業務も命じられていた。
部下の業務の肩代わりや、休日を返上して業務にあたるなど、精神的・肉体的に強い負担があった」として、業務によってうつ状態となったのが自殺の原因だと判断し、公務災害と認めました。
判決について消防士の妻は会見で、「夫は責任感の塊のような人で、仕事で思い悩んでいました。13年間、願い続けた公正な判断をしてもらえて本当によかったです」と話しています。
一方、公務災害の審査を行う地方公務員災害補償基金は、「判決内容を検討し、控訴するかどうかも含めて今後の対応を決めたい」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB