和牛の受精卵などを中国に不正に持ち出そうとしたとして、大阪の焼き肉店の経営者らが逮捕された事件で、警察は、受精卵の流出元の徳島県内の畜産農家を新たに逮捕しました。調べに対し、容疑を否認しているということです。
大阪八尾市で焼き肉店を経営する前田裕介容疑者(51)は、去年6月、ストロー状の容器でおよそ360本分の和牛の受精卵と精液を検疫を受けずに中国に持ち出そうとしたとして、今月、家畜伝染病予防法違反の疑いで逮捕されました。
この事件で、警察は、中国に持ち出されることを知りながら、受精卵や精液を販売したとして、徳島県吉野川市の畜産農家、松平哲幸容疑者(70)を同じ容疑で新たに逮捕しました。
警察によりますと調べに対し、「国外に持ち出されることは知らなかった」と供述し、容疑を否認しているということです。松平容疑者は逮捕前のNHKの取材に対し、「和牛なら何でもよいと言われ、古い受精卵などをまとめて売った。中国に持って行くと知っていたら売らなかった」と話していました。
警察は、中国の海南島で牧場を経営する会社の関係者の依頼で、松平容疑者が売った受精卵などがすでに何度も現地に持ち出されたとみて捜査を進めています。
-- NHK NEWS WEB