3年前、神戸市の新名神高速道路の建設現場で、橋桁が落下して作業員2人が死亡し8人が重傷を負った事故で、業務上過失致死傷の罪に問われている建設会社の当時の現場所長に、検察は「結果は重大で橋りょう工事に対する信頼を揺るがした」として、禁錮3年6か月を求刑しました。
平成28年4月、神戸市北区の新名神高速道路の建設現場で、長さ120メートル、重さおよそ1350トンの橋桁が落下して作業員2人が死亡し8人が重傷を負いました。
工事を請け負っていた建設会社「横河ブリッジ」の当時の現場所長、福持陽光被告(45)が必要な安全対策を取らなかったなどとして、業務上過失致死傷の罪に問われています。
25日に神戸地方裁判所で開かれた裁判で、検察は「2人の尊い命が奪われた結果は重大で、橋りょう工事の信頼を揺るがした点でも影響は大きい」として、禁錮3年6か月を求刑しました。
これに対して弁護士は「規模の大きい工事で被告1人に責任を負わすのはそぐわない」として執行猶予の付いた判決を求め、被告も「安全第一という最低限の職務を全うできず申し訳ありませんでした」と謝罪しました。
25日の裁判では死亡した作業員2人の家族が意見を述べ、このうち32歳で亡くなった兵庫県伊丹市の福田佳祐さんの母親は「大切な息子を奪った責任がいかに大きいものか、しっかり理解し反省してもらいたい」と訴えました。
来月23日に判決が言い渡されます。
-- NHK NEWS WEB