会社と雇用関係を結ばずに仕事をする「フリーランス」と呼ばれる働き方が広がる中、こうした働き手の労働環境の改善などを目指す新たな組織が26日設立されました。
この「フリーランス協会」は、会社や団体と雇用関係を結ばずに仕事をする「フリーランス」の人たちと、こうした働き手に業務を仲介している企業などが共同で設立しました。
東京都内で開かれた設立の記者発表で、代表理事を務める田中美和さんは「フリーランスは新しい働き方のため難しさに直面する人も多く、働き手と企業とが協力して課題を解決していきたい」とあいさつしました。
介護や子育て中でも時間や場所にとらわれずに仕事ができるといった利点から、フリーランスで働く人は増え続けていて、副業も含めると国内で1000万人を超えたという推計もありますが、雇用関係を前提とする社会保障の仕組みが適用されないほか、立場の弱さから報酬や労働時間で不利益を被るおそれも指摘されています。
フリーランス協会では、ことし4月から会員の募集を始め、社会保障や労働法制の改正を国に働きかけるとともに、働き手の収入の増加を目指し技能向上のための研修なども行うことにしています。
協会の設立に携わったフリーランスの三河賢文さんは「社会保障のほかにもローンが借りにくいなどフリーランスになる壁は多い。雇用関係のあるなしにかかわらず1人の働き手として平等に評価されることを目指したい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB