あらゆるモノをインターネットで結ぶ「IoT」をめぐり、安全対策が不十分な機器では、最も短い場合、インターネットに接続してわずか30秒余りでウイルスに感染するとする研究結果がまとまり、専門家は、ウイルスのまん延が極めて深刻なレベルにあると警鐘を鳴らしています。
この研究結果は、横浜国立大学の吉岡克成准教授のグループが、那覇市で開かれた専門家のシンポジウムで報告しました。
IoTをめぐっては、生産性や利便性が高まるとして急速に広がっている一方で、安全対策が不十分な機器も数多く流通していると指摘されています。
このためグループでは、防犯カメラなどのIoT機器のうち、安全性が不十分なことが明らかになっている7つを選び、それぞれ複数回インターネットにつないでウイルスに感染するまでの時間を調べました。
その結果、平均して1時間以内に6つがウイルスに感染し、最も短かいものではわずか38秒で感染していました。
IoT機器を狙ったウイルスの多くは、サイバー攻撃に悪用しようと、感染する対象を探して無差別に通信を行っていて、今回の調査結果は、ウイルスのまん延が極めて深刻なレベルにあることを示しています。
吉岡准教授は、「ここまで短時間に感染したことに驚いている。利用者だけでなく、メーカーなども現実を知ってもらい、問題がある場合は直ちに対策をとることが重要だ」と話しています。
-- NHK NEWS WEB