子育てや介護などを理由に引っ越しを伴う転勤を受け入れられず、仕事をやめてしまう「転勤離職」が相次ぐ中で、厚生労働省は転勤制度を見直す際の考え方やポイントを示したガイドラインの活用を呼びかけています。
転勤制度は大手企業を中心に人材育成や組織の活性化を目的に取り入れられていますが、引っ越しで家族と離れて暮らすことになり子育てや介護ができないとして、仕事をやめてしまう「転勤離職」が相次いでいます。
こうした中、厚生労働省はおととし転勤制度を見直す際の考え方やポイントを示したガイドラインを作成し、企業に活用を呼びかけています。
この中では転勤の目的や効果を改めて検証し、人材育成などについても転勤以外の方法はないか検討することが有効だとしています。
そのうえで、定期的な面談などで社員の意向や家庭の事情を把握したり、転勤の回数や赴任期間を明確化するためにその目安を社内で共有することも考えられるとしています。
また、転勤が決まった場合には時間的な余裕を持って社員に伝えることが重要だとしています。
転勤制度をめぐっては、一部の企業に引っ越しを伴う転勤を原則廃止にしたり、転勤を一時的に猶予できる制度を設ける動きも出ています。
転勤制度に詳しいリクルートワークス研究所の大久保幸夫所長は「企業には転勤させる社員の数を必要最小限に絞り込んだり、転勤の同意を得ていく努力も求められている」と話しています。
-- NHK NEWS WEB