製薬大手の「第一三共」は、抗がん剤の分野でイギリスの製薬大手「アストラゼネカ」と提携しました。第一三共が開発中の新薬の臨床試験などを共同で進め、最大約7600億円の対価を得るということです。
第一三共は、開発中の抗がん剤「トラスツズマブ デルクステカン」について、アストラゼネカとの間で開発や販売などの戦略的な提携を結びました。
この抗がん剤は、乳がんや胃がんなどを対象に現在アメリカなどで臨床試験が行われていますが、提携によって今後は共同で開発などを進め、年内にもまずアメリカの当局に承認の申請を行いたい考えです。
提携に伴って、第一三共は、アストラゼネカから最大69億ドル(日本円で約7600億円)の対価を得るということです。
世界的な大手との提携は、第一三共にとっては、新薬の開発を加速し、海外での販売拡大につなげられるメリットもあり、日本とアメリカ、ヨーロッパなどでの収益を第一三共が得る一方、中国、オーストラリア、カナダ、ロシアなどでの収益をアストラゼネカが得ることになるとしています。
がんの治療薬の開発を巡っては、「エーザイ」も去年、アメリカの「メルク」と提携していて、グローバルな事業体制を構築し、収益力の強化につなげようという動きが広がっています。
-- NHK NEWS WEB