JAXA=宇宙航空研究開発機構で人工衛星の管制業務に当たっていた企業の社員が自殺し、達成困難なノルマを課されたことなどが原因の労災と認定されました。
労災認定されたのは、茨城県つくば市にあるJAXAの筑波宇宙センターで温室効果ガスの観測衛星「いぶき」の管制業務などに当たっていた佐藤幸信さん(当時31)です。
3日、佐藤さんの母親や代理人の弁護士が東京都内で記者会見しました。
それによりますと、佐藤さんは東京のソフトウエア開発会社の社員で、JAXAの業務を請け負うグループ会社に平成27年から出向していましたが、1年後の平成28年10月、自宅で自殺しました。
大分県に住む母親からの申し立てを受けて労働基準監督署が勤務の状況を調べたところ、佐藤さんは、夜勤を含む管制業務と同時にソフトウエアの開発にも従事し、達成困難なノルマが課されていたということです。
さらに時間外労働が月70時間を超えていたことなども確認され、2日、労災と認定されました。
会見によりますと、佐藤さんは、会社の上司に残業を申請したところ叱責を受け、サービス残業を強いられていたということです。
佐藤さんの母親の久恵さんは、「今でも息子がこの世からいなくなってしまったことを受け入れられない。息子の身に起きたすべてのことを明らかにしたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB