日産自動車のカルロス・ゴーン前会長が中東のオマーンの販売代理店に支出させた日産の資金の一部が、前会長の息子が経営するアメリカの投資関連会社側に流れていた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。東京地検特捜部は特別背任容疑での刑事責任の追及に向けて詰めの捜査を進めているものとみられます。
日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(65)はサウジアラビア人の知人側に日産の資金を不正に支出させた特別背任などの罪で起訴され、東京地検特捜部はゴーン前会長をめぐる不透明な資金の流れについて捜査を続けています。
関係者によりますと、ゴーン前会長の知人が経営するオマーンの販売代理店には、去年までの7年間に日産のCEO=最高経営責任者の予備費から合わせて38億円余りが支出され、その一部が、代理店の幹部がCEOを務めるレバノンの会社を通じて、前会長の息子が経営するアメリカの投資関連会社側に流れていた疑いがあるということです。
オマーンの代理店に支出された資金の一部は、前会長らが使っていたクルーザーの購入資金などに充てられた疑いもあるということで、特捜部は日産の資金を不正に支出させた特別背任容疑での刑事責任の追及に向けて詰めの捜査を進めているものとみられます。
これまでの取材に対しゴーン前会長側は「オマーンの代理店に支出された予備費は、日産の部下の要請を受けて長年支払ってきた正当な報奨金だ」などと説明しています。
-- NHK NEWS WEB