アフリカのエチオピアで、先月起きたボーイング737MAX8の墜落事故について、エチオピア政府の事故調査当局は、パイロットの操作に反して機首を下げる動きが自動で繰り返され、墜落したとする調査報告書を公表しました。
4日、公表された暫定的な調査報告書には、エチオピア航空302便の離陸から墜落までの6分間を中心に、飛行状況や操縦室内の音声記録などの解析結果が時系列で示されました。
報告書によりますと、離陸直後、機体の両側についている機首の傾きを感知するセンサーが、左は74.5度、右は15.3度と、左右で大きく異なる値を示しました。
まもなく、自動で機首を下げる装置が作動し、パイロットは3回、手動で機首を上げる操作をしましたが、機首は4回、自動的に下げられました。
パイロットは装置を解除して、手動で機首を上げようとしましたが、機体を制御できず墜落したということです。
墜落に至った直接の原因には言及していませんが、報告書は航空機メーカーに対して、自動で機体を制御するシステムについて再調査するよう求めています。
ボーイングの最新鋭の小型機737MAX8には、機体の姿勢を自動で制御する「MCAS」と呼ばれるシステムが搭載されていて、去年10月、インドネシアで墜落した機体では機首の傾きを感知するセンサーが異常な値を示したあと、このシステムが作動したことがわかっています。
墜落した2つの機体で同様の現象が起きていたことがわかったことで、ボーイングの対応とともに、機体を認可したFAA=アメリカ連邦航空局の安全検査の在り方が問われる事態になっています。
-- NHK NEWS WEB