日産自動車のゴーン前会長がオマーンの販売代理店に支出させた日産の資金を私的に流用したとして再逮捕された事件で、東京地検特捜部が資金が流れたとみられるスイスやアメリカなどの当局に捜査共助を要請していることが関係者への取材で分かりました。特捜部は海外を舞台にした複雑な資金の流れの全容解明を進めています。
日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(65)はオマーンの販売代理店に日産から支出させた資金の一部を私的に流用し、日産に損害を与えたとして4日、特別背任の疑いで東京地検特捜部に再逮捕されました。
関係者によりますと、ゴーン前会長はオマーンの代理店に支出させた資金の一部をみずからが実質的に保有するレバノンのペーパーカンパニーの口座に送金させ、この口座からは前会長の息子が経営するアメリカの投資関連会社「Shogun Investments」におよそ30億円が送金されたほか、ゴーン前会長の妻が代表を務める会社「Beauty Yachts」におよそ9億円が送金されていたということです。
こうした資金移動はスイスの金融機関など複数の口座を経由しているということで、妻の会社に送金された資金は前会長らが使用するイタリア製のクルーザーやボートの購入費に充てられていた疑いがあるということです。
このため特捜部は中東各国のほか、スイスやアメリカなどの当局にも捜査共助を要請し、海外を舞台にした複雑な資金の流れの全容解明を進めています。
調べに対しゴーン前会長は容疑を全面的に否認しているということです。
-- NHK NEWS WEB