新しい通信規格5Gのサービスが先週、本格的に始まった韓国では政府が記念の行事を開き、ムン・ジェイン(文在寅)大統領は「韓国が世界の標準になれる」と訴えて5Gに関連する機器やサービスで輸出拡大や雇用創出につなげたいと述べました。
これまで以上に高速の通信が可能になる5Gをめぐっては、今月3日、アメリカの大手通信会社が、世界で初めてスマートフォン向けのサービスを開始したと発表したのに対し、韓国政府は、通信大手3社がアメリカより早くサービスを始め「世界初」だったと主張しています。
韓国政府は、8日ソウルで、サービス開始を記念する行事を開き、ムン・ジェイン大統領は「世界初の意味は、韓国が世界の標準になれるということだ」と訴えました。
ムン大統領は、5Gについて、自動運転やドローンなどへの応用も期待され、機器やサービスなど関連する世界の市場規模は、2026年までに1161兆ウォン、日本円で113兆円に達するという見通しを示し、このうち15%のシェアを韓国が獲得して輸出拡大で60万人の雇用を創出すると強調しました。
韓国では、スマートフォンなどで大手のサムスン電子の業績がこのところ悪化し、ムン大統領の支持率は、経済政策への不満から就任後、最低に落ち込んでいます。
ムン政権としては、5Gの推進にいち早く取り組む姿勢を示し、経済の底上げにつなげたいねらいとみられます。
-- NHK NEWS WEB