新たに一万円札の肖像に使われることになった渋沢栄一の子孫の男性がNHKの取材に応じ、栄一の思想が世の中に広まるきっかけになってほしいと話しました。
東京 千代田区の投資信託会社「コモンズ投信」の取締役会長を務める渋沢健さん(58)は栄一の孫の孫、「やしゃご」にあたります。
渋沢さんは友人からの連絡で栄一が一万円札の肖像に使われることを知ったと言い、「とても驚きましたが子孫としてうれしく思います」と歓迎しました。
そして「栄一は経済人として、自分の利益だけを求めるのではなく世の中にいい意味でのインパクトを同時に与えることが大事だと考えていた。また、正しい道理にもとづいた富でなければ永続しないということも主張していて、こうした思想が今の世の中にも普及するきっかけになればうれしい」と話していました。
また「渋沢の肖像は晩年のものが多く、穏やかなおじいさんというイメージがあるかもしれないが、若いときは闘争心を持ち、社会のために尽くしたいという熱い気持ちを持っていた。そういう渋沢の肖像が使われることは、新しい時代の主役になる若者を応援する意味でも意義があることだと思う」と話していました。
-- NHK NEWS WEB