イギリスのEUからの離脱をめぐる混乱は、今月下旬のキリスト教の復活祭、イースターの休暇にも影を落としています。
「合意なき離脱」となった場合、イギリス人がEU加盟国に旅行するためには、パスポートの有効期限が半年以上残されていることが必要になります。
また、車の運転には国際免許証が必要になるなど、これまではなかった対応が求められることになります。
こうした影響から、ことしのイースター休暇は例年と比べて国内志向が強くなっていて、イギリスでホテルを運営する会社の調査では、休暇を国内で過ごすと答えた人は67%で、去年のおよそ2倍となっています。
市民からは、「国外に行くことを考えていましたが、今回は、イギリスにとどまることにしました」といった声が聞かれました。
また、ロンドンの旅行代理店の担当者は、「お客さんは予約を入れることをためらっているようです。例年は非常に忙しい時期ですが、ことしはとても静かです」と話していました。
こうした状況に加え、旅行にペットを連れて行こうとすると、一層の困難が伴います。
現在は、EUのペット用のパスポートがあれば、ペットもEU加盟国に行くことができます。
しかし「合意なき離脱」となれば、ペットの血液検査を行い証明書を作成することなどが必要となり、その手続きには3か月程度かかるということです。
ペットの犬と定期的に国外に旅行するという男性は、「ルールが変わって、どうなるかわかりません。出費もかさみそうです」と心配そうな様子でした。
イギリスの旅行関連の企業などで作る協会では、ホームページ上にEUからの離脱に関する旅行者へのアドバイスをまとめて公開しています。
協会の広報担当者は「業界としても何が起きているか分からないので、計画を立てることすらできません。毎日のように状況が変わるのでとても大変です」と話していました。
-- NHK NEWS WEB