東京パラリンピックの開幕まで500日となる13日、点字と文字を組み合わせて障害のある人もない人も読むことができる新たなデザインの点字、「ブレイルノイエ」を学ぶイベントが開かれました。
これは東京パラリンピックに向けて、障害者と健常者のコミュニケ−ションについて考えてもらおうと開かれたもので、東京・江東区の会場には小学生と保護者20人余りが集まりました。
広告会社の社員で新しい点字を開発した高橋鴻介さん(25)が、子どもたちに点字に触れてもらいながら指で読む文字で、目で読む文字とは異なることを説明しました。
このあと、これまで使われている点字の上に、カタカナやアルファベットなどの文字を重ね合わせた新たなデザインの点字、「ブレイルノイエ」を紹介し、障害のある人もない人もどちらも読めるようになると説明しました。
高橋さんは、視覚障害がある人の施設を訪れた際、点字が読めないことに疑問を持ち、1年半前にこの点字を開発したということで、すでに都内の区役所や会社の案内表示などにも使われ、使用が広がりつつあるということです。
子どもたちは、専用の器具を使って新たな点字で自分の名前を打つ体験も行い、夢中になって点字と文字に触れて学んでいました。
横浜市から訪れた小学1年生の女の子は「楽しかったです。いろいろな人としゃべりたいからいろいろな文字を勉強したい」と話していました。
30代の母親は「新たな点字は同じものを見て共有できるのがすごいと思った」と話していました。
高橋さんは「障害がある人とない人では情報を得る方法に壁があるが、新たな点字を使うことでお互いのコミュニケーションを深めるきっかけにつながってほしい。パラリンピックを機会に世界にPRし、文字と点字が一体となる点字があることが普通になってほしい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB