日米の新たな貿易交渉が、日本時間の16日、ワシントンで始まります。トランプ大統領は、貿易赤字の削減を公約に掲げて大統領選挙に勝利し、就任後、日本に対しても厳しい姿勢を示してきました。
アメリカが日本との貿易で抱えた去年1年間の貿易赤字は676億ドル(約7兆5000億円)に上ります。これは、中国、メキシコ、ドイツに次ぐ4番目に大きな赤字額で、トランプ大統領は何度も日本を名指しにして不満を口にしてきました。
日本政府は、日本企業がアメリカ各地に工場などを造って雇用を生み出しアメリカ経済に貢献してきたと強調し、貿易赤字だけを見て批判しないよう求めてきました。
しかし先月、トランプ大統領は、ホワイトハウスで行われた企業経営者との会合で、「日本はもっと工場をアメリカに移すべきだ。日本の貿易赤字は大きすぎる」と述べて、改めて不満を表明。日本からの輸出を減らしアメリカ国内での生産を増やすよう求めました。
トランプ大統領は、特に日本からの自動車輸出が多額の赤字の原因になっているとして、日本車に高い関税をかけて輸入を制限する措置を導入する構えを見せて今回の日本との貿易交渉に臨んでいます。
通商政策に詳しいワシントンのシンクタンクCSIS=戦略国際問題研究所のマシュー・グッドマン上級副社長は「輸入車への関税上乗せは、脅しの交渉戦術というレベルのものではない。トランプ大統領にとって貿易問題の懸念のど真ん中にあるのが自動車だ」と述べ、貿易赤字を減らすため、トランプ大統領は日本車に高い関税をかけることを本気で考えているという認識を示しました。
-- NHK NEWS WEB