フランスを代表する歴史的な建築物、ノートルダム大聖堂で起きた大規模な火災を受けて、フランスのマクロン大統領はテレビ演説を行い、「大聖堂を5年以内に、これまで以上に美しく再建させる」と訴え、再建に向けて国民に協力を呼びかけました。
フランスのパリ中心部にあるノートルダム大聖堂では15日、大規模な火災が発生し、中央にある高さ90メートル余りのせん塔が焼け落ちたほか、屋根の3分の2が崩れ落ちるなど、甚大な被害が出ました。
火災を受けて、フランスのマクロン大統領は日本時間の17日未明、国民向けにテレビ演説を行い、「今回の悲劇を国民が結束する機会にできるかどうかは、われわれ自身にかかっている」と強調しました。
そのうえで「大聖堂をこれまで以上に美しく再建させる。5年以内に成し遂げたい」と訴え、再建に向けて国民に協力を呼びかけました。
再建には少なくとも数億ユーロ(数百億円)かかるとされていますが、フランスでは企業のトップや自治体が巨額の寄付を相次いで発表し、AFP通信によりますと、これまでの寄付金の総額は7億5000万ユーロ(およそ950億円)となっていて、支援の動きが広がっています。
一方、火災の原因について、検察は過失による出火の疑いで捜査を進めていて、大聖堂で去年夏から行われていた修復工事との関連を調べているものとみられます。
ただ、出火場所とされる大聖堂の屋根の部分は焼け落ちていて、原因究明に向けた捜査が難航することも予想されます。
-- NHK NEWS WEB