フランスを代表する歴史的な建築物、ノートルダム大聖堂で起きた大規模な火災について捜査を進めている検察は、安全面の懸念から大聖堂内部での現場検証をできておらず、火災の原因究明は難航することも予想されます。
フランスのパリ中心部にあるノートルダム大聖堂では15日、大規模な火災が起き、高さ90メートル余りのせん塔が焼け落ちて、屋根の3分の2が崩れる甚大な被害が出ました。
検察は、過失による出火の疑いで捜査を始めていて、フランスの有力紙「パリジャン」は、警備員が、せん塔の基礎部分で火が出ているのを見つけたものの、勢いが強く、消し止められなかったと伝えています。
大聖堂では、去年夏から大規模な足場を組んで修復工事が行われていて、検察は工事関係者などから話を聞くなどして、火災との関連を調べているものとみられます。
これに対し、修復工事を行っていた会社のトップは、メディアの取材に、火災の発生当時、従業員は現場にいなかったと話し、必要な防火対策はとっていたと説明しています。
また大聖堂は、火災で天井に穴があき、外壁を支える部分にも被害が出ていて、建物自体が崩れるおそれもあるため、検察は、安全面の懸念から内部での現場検証をできていません。
地元のメディアに対し、捜査関係者は「証拠集めは複雑な作業になる」と話していて、火災の原因究明は難航することも予想されます。
-- NHK NEWS WEB