さまざまな食品に使われている一部の添加物について、現在の国の基準では、「香料」や「乳化剤」などと表示すれば、具体的な物質名を省くことが認められています。これを見直すべきかどうか、消費者庁の検討会での議論が始まりました。
18日開かれた消費者庁の検討会では、消費者団体のほか、流通業界の代表や研究者など11人が委員となり、食品添加物の表示の在り方について議論を始めました。
この中では、消費者側から、一括表示が認められている「香料」や「乳化剤」なども物質名をすべて表示するよう求める声が上がっている一方で、企業側からは、コストがかかるうえに、表示スペースにも限界があるとの声が出ていることが報告されました。
このほか、消費者側からは「『保存料不使用』などと表示するとほかの添加物も使われていないと誤解させる」として、こうした表示の禁止を求める声が出ていることも報告されました。
検討会では、消費者側と企業側の双方から意見を聴いたうえで、一括表示の是非や、「無添加」「不使用」といった表示の在り方について、早ければ年内に報告書をまとめることにしています。
座長を務める実践女子大学の西島基弘名誉教授は「食品表示は分かりにくいという意見もあり、分かりやすい表示を目指して検討を進めていきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB