世界一の囲碁AIを開発して若手棋士の育成にもつなげようというプロジェクトが新たに始まることになり、開発者らが世界一への意気込みを語りました。
囲碁の世界では、すでにAIが人間のトップ棋士をしのぐ強さを実現し、日本はAIの開発競争で中国などに後れを取っているのが現状です。
新たなプロジェクトは、囲碁AIの世界大会で去年2位の成績を収めた「AQ」をベースに、「GLOBISーAQZ」という新たなAIを開発して世界一を目指すというもので、18日に東京都内で概要が発表されました。
それによりますと、国内トップクラスの囲碁AIの開発者で、「AQ」を手がけた山口祐さんと民間企業の「グロービス」、それにITベンチャーの「トリプルアイズ」の3者がチームを作り、産業技術総合研究所が構築する世界トップクラスの計算速度を誇るクラウドを使って、AIの強化学習を進めるということです。
日本棋院も協力体制に加わり、プロ棋士もアドバイザーとして参加します。
ことし8月に中国で開かれる予定の世界大会での優勝を目指して開発を進め、その後も改良を加えながらプロ棋士や棋士を目指す人たちにも公開し、若手棋士の育成に役立てることにしています。
山口さんは「今回のプロジェクトで囲碁の本質に迫れることを楽しみにしています。そのうえで世界一を取り、日本のプロ棋士の育成にも貢献できれば、これ以上ない喜びだと思います」と話しています。
-- NHK NEWS WEB