日産自動車のゴーン前会長が特別背任の疑いで再逮捕された事件で、日産の資金が還流したとみられるペーパーカンパニーから、前会長の息子の会社に送金された巨額の資金が、ベンチャー企業など少なくとも30社への投資に充てられていたことが関係者への取材でわかりました。東京地検特捜部は、ゴーン前会長が日産の資金を個人的な投資に充てていた疑いもあるとみていて、勾留期限の今月22日にも追起訴するものとみられます。
日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)は、オマーンの販売代理店に日産から支出させた資金の一部を、みずからが実質的に保有するレバノンのペーパーカンパニーに還流させていたとして今月4日、特別背任の疑いで東京地検特捜部に再逮捕されました。
このペーパーカンパニーからは、前会長の息子のアンソニー氏が経営するアメリカの投資関連会社「ショーグン・インベストメンツ」におよそ30億円が送金されていましたが、こうした資金がアメリカのシステム開発のベンチャー企業など、少なくとも30社への投資に充てられていたことが関係者への取材で新たにわかりました。
特捜部は、こうした投資がゴーン前会長の意向で行われ、前会長が日産の資金を個人的な投資に充てていた疑いもあるとみていて、勾留期限の今月22日にも特別背任の罪で追起訴するものとみられます。
またアメリカの司法当局に捜査共助を求め、アンソニー氏からも事情を聴く方向で検討を進めています。
関係者によりますと、前会長は容疑を全面的に否認しているということです。
-- NHK NEWS WEB