レスリングの選手が服用した胃腸薬に禁止物質が含まれていて、資格停止の処分となった問題をめぐって、この禁止物質が含まれる薬が現在も流通しているおそれがあることが分かり、JADA=日本アンチドーピング機構は、選手に対し注意を呼びかけています。
去年、レスリングの国内大会で準優勝した男子選手が、ドーピング検査で禁止物質が検出されたとして、暫定的な資格停止の処分を受けましたが、その後、医師から処方された胃腸薬に禁止物質が含まれていたことが分かり、処分が解除されました。
この胃腸薬に添付されている成分表には記載がありませんでしたが、製薬会社などの調査で、薬の製造過程で微量の禁止物質が混入した疑いがあることが分かったということです。
しかし、一部の製薬会社は健康に影響を及ぼすものではないとして、生産機器の管理を厳格に行うなどの改善策をとることで、出荷を続ける方針です。
このためJADAは、禁止物質が含まれている薬が流通しているおそれがあるため、選手に対してエカベトナトリウムという成分が含まれる一部の胃腸薬について、服用を控えるよう注意を呼びかけています。
そのうえで、選手に対し服用した医薬品の履歴をつけることや医薬品が残っている場合は、手元に保管しておくことなどを勧めています。
-- NHK NEWS WEB