スリランカで起きた同時爆破テロ事件で、進出している一部の日本企業にも影響が出ています。
大手ファスナーメーカーの「YKK」は、20年前から現地工場で製品の生産を続けてきました。駐在する日本人社員全員の無事を確認済みですが、事件を受けて工場の操業を停止しているということです。
大手商社の「豊田通商」によりますと、スリランカに駐在する日本人社員や現地スタッフの無事を確認していますが、現地にある自動車の販売拠点は休業しているということです。
名古屋市に本社を置く洋食器メーカー「ノリタケカンパニーリミテド」は、40年余り前にスリランカに進出し、現地工場で皿やティーカップなどを生産しています。
コロンボには直営店があり、今の時点で、今回のテロ事件による被害は確認されていませんが、事件のあと、店の営業を休止しているということです。
東京のアクセサリーメーカー「中川装身具工業」は、コロンボから北に30キロほど離れた都市に工場を設けています。これまでに駐在する日本人社員全員の無事を確認しましたが、工場の操業は休止しているということです。
佐川急便を傘下に持つ「SGホールディングス」は、5年前に買収したコロンボの物流企業に、2人の日本人社員を出向させています。会社によりますと、2人とも無事が確認できているということですが、会社では現地の安全が確認されるまで、2人をシンガポールの拠点に一時、待避させる対応をとったということです。
東京に本社がある「岡谷電機産業」は10年前、コロンボから30キロほどのバンダラナイケ国際空港の近くに自社の工場を設け、東南アジアの家電メーカー向けの電子部品などを製造しています。駐在する4人の日本人社員と、現地に出張中だった数人の社員について、いずれも全員の無事を確認しているということです。
工場の操業は続けていますが、現地の一部の従業員が出勤できない状態だということです。
このほか「三菱UFJ銀行」は、現地に進出する日本企業の支援のため、3年前からコロンボに出張所を設けています。駐在員はいずれも無事が確認されているということです。
損害保険大手の「三井住友海上」は、4年前からスリランカ最大手の保険会社に出資しています。常勤の取締役として、男性1人を派遣していて、無事が確認されているということです。
「日本通運」は3年前、コロンボにグループ会社の支店を設け、日本企業の駐在員の引越などを手がけているということです。駐在する日本人社員1人の無事は確認できているということで、会社は現地の状況などを確認し、今後の対応を検討したいとしています。
大手商社の「三菱商事」と「三井物産」、それに「伊藤忠商事」は、コロンボに駐在している日本人社員全員の無事を確認したということです。
大阪市に本社を置く製薬大手の「ロート製薬」は、3年前にコロンボに現地法人を設立し、スキンケア用品の販売などを行っています。駐在している日本人社員1人の無事を確認したということです。
東京に本社があり、空調設備などの施工管理を行う「新日本空調」は、空調や電気設備の施工や管理を手がけるコロンボの現地法人に日本人の社員10人が駐在していますが、全員の無事を確認しているということです。
-- NHK NEWS WEB