企業が従業員などのために設けた企業主導型の保育施設について、会計検査院が調べたところ、オープンから1年以上たっても子どもが定員の半数未満にとどまる施設が調査対象の3割を超え、国の助成金などが十分に生かされていないことが分かりました。
企業主導型保育施設は、企業が従業員や地域の子どものために設置するもので、国は助成金などとして平成29年度末の時点で2100億円の事業費を支出しています。
制度が始まった平成28年度と29年度の運営状況について、会計検査院が全国の200余りの施設を対象に調査したところ、オープンから1年以上たっても子どもが定員の半数未満にとどまる施設が72と、調査対象の3割を超えていました。定員の20%未満だった施設も27ありました。
企業が定員を決める際、従業員の希望をしっかり把握しなかったほか、事業計画を審査する公益財団法人「児童育成協会」が定員の妥当性などを審査しないまま助成の決定を行っていたということです。
会計検査院は事業を所管する内閣府に対し、施設が有効活用されるよう改善を求めました。内閣府は「指摘を真摯(しんし)に受け止め、改善を図りたい」としています。
-- NHK NEWS WEB