原子力規制委員会が、テロ対策の施設が期限までに完成しない原発は原則、運転を停止させると決めたことを受けて、電力各社は停止を避けるために、施設の完成を急ぐことや規制委員会に説明を続ける考えを示しました。ただ規制委員会は運転の継続に否定的な見解を示しています。
原子力規制委員会は24日、テロ対策などのために原発への設置を義務づけている「特定重大事故等対処施設」と呼ばれる施設について、再稼働の前提となる審査に合格してから5年の期限までに完成しない場合、原則、運転の停止を命じることを決めました。
電力会社各社は、全国の7原発13基で施設の設置期限に間に合わないかめどが立っていないとし、このうち5原発9基がすでに再稼働しています。
中でも、
▽鹿児島県の九州電力川内原発1号機、2号機はそれぞれ来年3月と5月、
▽福井県の関西電力高浜原発3号機、4号機は来年8月と10月に、期限が迫っていますが、いずれもおよそ1年完成が遅れる見通しです。
規制委員会の決定を受けて九州電力は「早期の完成に向けて引き続き最大限の努力を続けて参ります」とコメントを発表しました。
関西電力は「運転継続のための安全は確保されている」として、運転を継続できるよう規制委員会に対し説明を続ける考えを示しました。
ただ原子力規制委員会の更田豊志委員長は会見で「話を聞くことは否定しないが代わりとなる対応策は考えにくい。運転の継続を認める可能性は限りなくゼロに近い」と述べ、否定的な見解を示しました。
-- NHK NEWS WEB