去年、関西空港の連絡橋にタンカーが衝突した事故で、運輸安全委員会は船の運航会社に対し勧告を行い、台風の際は運航を船長任せにせず、停泊場所や気象に関する情報を伝えるなどの支援体制を構築するよう求めました。
去年9月の台風21号では関西空港の沖合に停泊していたタンカーが強風で流されて連絡橋に衝突し空港が孤立したほか、損傷した連絡橋の完全復旧までおよそ7か月かかりました。
運輸安全委員会がまとめた調査報告書によりますと、船長は台風の進路を見誤るなどした結果、衝突のおそれがある連絡橋の風上にタンカーを停泊させたということです。
また船が流されるのを防ぐいかりやエンジンが適切に使われていなかったとしています。
そして事故の背景として、船を所有する会社や運航会社が停泊場所に関する判断を船長に任せ、最新の気象情報も伝えていなかったことを指摘しています。
運輸安全委員会は運航会社の「鶴見サンマリン」に対し勧告を行い、悪天候で船が停泊する際はいかりやエンジンを適切に使うことや、運航の判断に必要な情報を船長に伝えるなどの支援体制を構築するよう求めました。
一方、船を所有していた「日之出海運」は事故のあと船を貸し出す事業から撤退したため、勧告の対象になりませんでした。
-- NHK NEWS WEB