アメリカ ハワイ州の議会は、地球温暖化によって、海面が上昇し、観光客に人気のワイキキビーチが海に沈むおそれがあるとして、対策を急ぐことを決議しました。
ハワイ州の調査では、温暖化に伴う海面の上昇によって今世紀末までに海面が最大で90センチ上昇して砂浜が海に沈むほか、ハリケーンが接近した際に高潮などが起こりやすくなり、洪水の被害が拡大して州全体で2万人の生活や主力産業の観光に影響がでると予測しています。
これを受けて州議会は、被害を防ぐための対策計画を取りまとめ、観光客に人気のワイキキビーチがあるオアフ島の海岸沿いの全長およそ20キロにおよぶ地域で、陸地をかさ上げしたり押し寄せる水を海に戻す排水設備を整えたりすることを決めました。
また、温暖化対策に率先して取り組もうと、二酸化炭素に価格をつけて企業や家庭が排出量に応じて負担する「カーボンプライシング」の導入も検討することにしています。
対策にはワイキキビーチ周辺の整備だけで4億円余りの費用がかかるということですが、計画の策定にあたったクリス・リー下院議員は、「何もしないときの代償に比べればささいな額にすぎない」と話しています。
日本の国立環境研究所などによりますと、日本でも、海面の上昇によって沿岸の砂浜の6割が完全に消えるおそれがあると指摘されていて、対策が議論されています。
-- NHK NEWS WEB