インド南部で日本の大手商社が開発を手がける工業団地が開業し、巨大市場の攻略を目指す日系企業の進出を後押しすることになりそうです。
この工業団地は、インドのデトロイトとも呼ばれる自動車産業の集積地、南部のチェンナイ近郊で、大手商社の「住友商事」が現地の企業と共同で開発を進めてきたもので、26日、開所式が行われました。
完成したのは、第1期の工事として開発を進めていた107ヘクタールで、機械メーカーの「ヤンマー」がエンジン工場の建設を始めるなど、2社が進出を決めています。
7%を超える高い経済成長が続くインドでは、巨大市場の攻略を目指す日系企業の進出が加速していて、その数は1400社余りに上り、この10年で2倍以上増えています。
中でもチェンナイは大規模な港もあることから、インド国内向けにとどまらず、東南アジアなど周辺国への輸出の拠点としても注目されています。
このため、このほど開業した工業団地のほかにも、日本の大手商社や銀行が工業団地の開発を手がけていて、日系企業の進出をさらに後押しすることになりそうです。
住友商事の秋元勉常務執行役員は「多くの人口を抱える国だけに内需のポテンシャルは大きい。日系企業の集積を助けることが自社のビジネスにもつながっていくと考えている」と話しています。
-- NHK NEWS WEB