太平洋戦争中のアメリカでおよそ12万人の日系アメリカ人が強制収容された歴史を語り継ぐ式典が開かれ、2000人以上の参加者が当時の日系人の苦難に思いをはせました。
旧日本軍による真珠湾攻撃の翌年の1942年、ルーズベルト大統領が大統領令に署名したことでおよそ12万人の日系アメリカ人が収容所に送られました。
日系人のこの苦難の歴史を後世に伝えようと、当時、強制収容された日系人らで作る団体が27日、カリフォルニア州のマンザナー強制収容所の跡地で式典を開きました。
ことしは50回目の節目で、日系人のほか、日本企業の駐在員や家族など2000人以上が参加しました。
式典では、強制収容を免れようとしたとして有罪判決を受けながらも、人種差別と憲法違反を訴え続け、およそ40年後に無罪の判決を勝ち取った日系二世の故フレッド・コレマツ氏の長女のカレン・コレマツさんがスピーチしました。
コレマツさんは、白人至上主義の広がりなどを念頭に「わたしたちは無関心であってはいけない。正しくないことには立ち上がらなければならない」と訴えました。
このあと「人種を理由に差別することは二度とあってはならない」などとスピーチする人が続き、トランプ大統領の厳しい移民政策への批判が相次ぎました。
式典のあと参加した人たちは、慰霊碑に花を供え、収容所で亡くなった日系人に思いをはせ、鎮魂の祈りをささげました。
-- NHK NEWS WEB