去年12月に本放送が始まった8Kの技術を、テレビだけでなく業務用にも活用する動きが始まっています。
高速道路の点検を手がける「首都高技術」は、8Kのカメラを車両にとりつけてトンネルの壁を点検する技術の実証実験を進めています。
実験では、走行しながら壁を撮影し、今のハイビジョンの16倍の画素数の8Kの鮮明な映像を持ち帰って点検します。
これまでは高速道路の車線の一部を通行止めにしたうえで複数の作業員が目視で点検していましたが、8Kカメラの導入で効率化につなげるということです。
会社では来年度中に試験的な導入を始め、将来はAIと組み合わせて点検を自動化させたいということです。
「首都高技術」のインフラドクター部、永田佳文部長は「作業の効率化やコスト削減につながる有効な技術だ」と話しています。
また、「シャープ」は8Kの監視カメラを開発しています。高い解像度の8Kの映像にすることで少ないカメラで工場など広い範囲の監視が可能になるということで、早ければ年内の実用化を予定しています。
シャープ通信・映像技術研究所の吉田育弘所長は「人間の目で把握するのが難しい分野に使えば非常に便利なので応用を進めていきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB