人工衛星が観測したデータを無料で利用できるサービスが、ことし2月から始まりました。データを生かして新しいビジネスに乗り出す動きが出ています。
経済産業省が始めたテルースというサービスは、人工衛星が観測した地上の画像や地形などのデータを無料で利用でき、気温など衛星以外のデータと組み合わせることもできます。
このサービスを利用して、フリマアプリ大手の「メルカリ」は、農作物の栽培を支援するビジネスに乗り出そうとしています。
衛星の画像データから農作物の育ち具合を解析し、土壌のデータと組み合わせてAIで最適な栽培方法を導き出すシステムを開発しています。
開発担当の大堂由紀子さんは「衛星データをビジネスに生かせる新しい取り組みなので、積極的に活用したい」と話しています。
「PwCコンサルティング」は、保険会社などの利用を見込んで被災地の画像分析を検討しているほか、「シャープ」は、衛星の画像データをより鮮明にする技術を開発しています。
サービスの登録数はすでに8000を超え、データを生かして新しいビジネスに参入する動きが出ています。
テルースを運営している「さくらインターネット」の菅谷智洋さんは「日本の人工衛星の性能は世界トップレベルであり、さらにデータを充実させたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB