アメリカのトランプ大統領がテロ対策を理由に中東やアフリカの7か国の人の入国を一時的に停止したことなどを受け、世界各地でアメリカ行きの空の便への搭乗が拒否されるケースが相次ぐなど、影響が広がっています。
アメリカでは27日、トランプ大統領がテロ対策を強化するための大統領令に署名し、中東やアフリカの7か国の人の入国と、すべての国からの難民の受け入れを一時的に停止しました。
同じ日、ニューヨークのケネディ国際空港に到着したイラク人の難民の男性がビザを取得していたにもかかわらず、入国を拒否されて入管当局に拘束され、支援団体の弁護士が裁判所に男性の解放を求めています。
またエジプトでは28日、首都カイロの国際空港で、ニューヨーク行きの便に乗り換えようとしていたイラク人の家族5人とイエメン人の合わせて6人が搭乗を拒否されました。
このほか、オランダの「KLMオランダ航空」とカナダの航空会社、「ウエストジェット航空」が世界各地の空港で、アメリカ行きを予定していた合わせて8人の乗客の搭乗を拒否したことが明らかになっています。
こうしたなか、影響を受けかねない社員が100人以上いるとされるアメリカのIT企業グーグルは、ピチャイCEOが強い懸念を示し、出張などで国外にいる社員に速やかに帰国するよう促しました。
今回の大統領令をめぐっては、フランスとドイツの外相がそろって懸念を表明したほか、イランが対抗措置として、アメリカ人のイランへの入国を制限する可能性を示唆するなど、反発が強まっていますが、トランプ大統領は「これまでのところとてもうまく実行できている。我々はこれまで実施すべきだった厳格な審査を行う」と述べ、今回の措置を着実に実行していく構えです。
-- NHK NEWS WEB