アメリカのトランプ政権は、日本時間の2日午後、イラン産の原油の輸入を禁止する制裁で、日本など一部の国を適用から外して輸入を認めてきた措置を打ち切ります。イランが反発するのは確実で、中東の一層の不安定化につながることが懸念されます。
トランプ政権は、イラン核合意から離脱したうえで去年11月イラン産の原油の輸入を禁止することで、イランに打撃を与える制裁を発動させましたが、日本や中国など8つの国と地域は180日間、適用から外し、輸入を認める措置をとっていました。
しかし先月、適用除外の措置を延長しない方針を発表し、現地の2日、日本時間の2日午後に措置を打ち切って制裁を強化します。
トランプ政権は今後、各国の企業などがイランから原油を輸入すれば、経済制裁の対象になるとして、輸入をゼロにするよう迫っています。
日本はすでに輸入を停止していますが、中国やトルコは反対していて、輸入を直ちに全面的に停止する可能性は低いとみられています。
アメリカは制裁を強化する一方、サウジアラビアやUAE=アラブ首長国連邦などの産油国と協力し、市場に原油が適切に供給されるよう努めるとしています。
国際市場でイラン産の原油の供給が減れば原油価格の上昇につながるおそれもあります。
アメリカは、イランの生命線とされる原油の輸出を全面的に断ち切ることでイスラム体制の弱体化につなげるねらいですが、イランが強く反発するのは確実で、中東の一層の不安定化につながることが懸念されます。
-- NHK NEWS WEB