憲法記念日の3日、AI=人工知能が普及する社会の在り方について憲法の視点から考えようという講演会が都内で開かれました。
この講演会は、憲法を守る立場の研究者らで作る「全国憲法研究会」が開き、およそ1200人が集まりました。
この中で、慶応大学の山本龍彦教授はAI=人工知能の普及によって、個人の好みや健康状態、信用力などが分析され、企業の採用活動などにまで利用されていることを紹介しました。
そのうえで、山本教授はAIによる個人の分析は、プライバシーや自由を脅かすおそれがあるほか、個人の点数化で低い点数をつけられ、理由がわからないままはい上がれない新たな被差別集団が生まれかねないと指摘しました。
山本教授は「欧米ではAIによって生じうる課題について憲法の視点を踏まえた制度面での対応が進んでいる。日本でも憲法の問題として人工知能とどう関わっていくかについて議論を進める必要がある」と訴えていました。
-- NHK NEWS WEB