スマートフォンの普及などで減少が続いていた電子辞書の出荷台数が去年、11年ぶりに前の年を上回りました。背景には英語学習の低年齢化にあわせた製品の強化がありました。
事務機器メーカーなどで作る「ビジネス機械・情報システム産業協会」のまとめによりますと、電子辞書の去年の国内の出荷台数は110万804台で、前の年より8.5%増加しました。
電子辞書の出荷台数はスマートフォンの普及などで減少が続き、おととしにはピーク時の3分の1ほどに落ち込みましたが、去年は11年ぶりに前の年を上回りました。
メーカーなどによりますと、学習指導要領の改訂で来年度以降、小学5年生から英語が正式な教科になるなど、英語学習の低年齢化に合わせた電子辞書の販売が好調だったということです。
カシオ計算機の「小学生向けモデル」は、リズムに合わせて英単語の発音を確認したり、短い文章をストーリー仕立てで学んだりする教材が収録されています。
シャープも低年齢向けの英語教材を充実させ、パソコンに慣れるきっかけにしてもらおうとキーボード入力の練習ができる機能なども搭載しています。
家電量販店に来ていた小学生の子どもを持つ父親は「子どもにスマホを持たせると遊んでしまうので、勉強するときは電子辞書のほうがいい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB