アメリカの要請を受けてカナダで逮捕された中国の通信機器大手、ファーウェイの副会長が、カナダの裁判所に出廷し、弁護団は、逮捕は違法でありアメリカに身柄を引き渡す根拠がないと主張しました。
去年12月、カナダで逮捕された中国の通信機器大手、ファーウェイの孟晩舟副会長はことし1月、詐欺などの罪でアメリカで起訴され、アメリカ司法省が身柄の引き渡しを要請しています。
孟副会長は、保釈された現在はバンクーバーにある自宅で過ごしていますが、アメリカに引き渡すかどうかを判断する審理の開始に先立って、今後の裁判の進め方を決めるため8日、現地の裁判所に出廷を求められました。
孟副会長は、3月には裁判所の地下の駐車場から出廷しましたが、今回は裁判所の正面から堂々と入り、警備員に声をかける一幕もありました。
法廷で孟副会長の弁護団は、逮捕について、アメリカの政治的な意図があり、違法で、孟副会長の身柄をアメリカに引き渡す根拠がないなどと主張しました。
また身の安全を守ることを理由に、資産価値がおよそ4億7000万円の現在の自宅から、改装を進めている13億円以上の別の自宅に引っ越すことを求め、認められました。
孟副会長は、9月23日に改めて出廷することになりましたが、身柄を引き渡すかどうかの本格的な審理はまだ始まっておらず、司法手続きは長期化する見通しです。
-- NHK NEWS WEB