アメリカ司法省は国連安全保障理事会の制裁決議に違反し、石炭の輸出に使われていたとする北朝鮮の貨物船を差し押さえたことを明らかにし、今後も制裁を維持していく姿勢を強調しています。
アメリカ司法省は9日、国連安保理の制裁決議に違反して石炭の輸出に使われたとする北朝鮮の貨物船「ワイズ・オネスト」(1万7061トン)を差し押さえたと発表しました。
発表によりますとこの船はばら積み船としては北朝鮮で最大規模で、朝鮮人民軍の傘下の会社が運航していたということです。北朝鮮による石炭の輸出はおととしの制裁決議で全面的に禁止されましたが、この船は船舶の位置を無線で発信する装置を作動させないようにするなどして密輸を続けていたということです。
詳しい経緯は明らかにされていませんが去年4月、インドネシア当局が摘発したあとにアメリカが船を差し押さえ、司法省の担当者は、船は現在、南太平洋のアメリカ領サモアの近くの海域にあるとしています。
司法省は「北朝鮮はアメリカがあらゆる方法で制裁を実施していくと認識するべきだ」として、制裁逃れを厳しく摘発していく姿勢を強調しています。
アメリカは北朝鮮の非核化を進めるため制裁による圧力を維持していく方針ですが、北朝鮮は制裁の緩和を求め、非核化に向けた協議の見通しは立っていません。
アメリカが制裁に違反したとして北朝鮮の貨物船を差し押さえたのはこれが初めてで、北朝鮮の反発が予想されます。
-- NHK NEWS WEB