フランスのルノーが日産自動車に求めている経営統合について、両社と提携関係にある三菱自動車工業の益子修CEOは9日の会見で、「相手が嫌がることを押しつけては弊害のほうが大きい」と述べ、両社が望まない形での経営統合には否定的な考えを示しました。
ルノーは日産自動車に対し、対等に出資して新たに持ち株会社を作り両社を傘下に置くことや、持ち株会社の本社を第三国に置くことなどを盛り込んだ経営統合を求めていますが、日産社内では、低迷している業績の回復を最優先にしたいとして、経営統合には否定的な意見が出ています。
これに関連し、三菱自動車の益子CEOは9日の会見で、「ルノーの幹部から経営統合について話を聞いたことはない」としたうえで、「ルノーと日産には冷静に話し合ってもらうしかないが、相手が嫌がることを無理に押しつけることはあってはならない。多くの関係者が喜んで受け入れられる環境がなければ、弊害のほうが大きくなり、うまくいかない」と述べ、両社が望まない形での経営統合には否定的な考えを示しました。
そのうえで、益子CEOは、3社による現在の提携関係について「アライアンスの力を使っていくことは重要で、経営トップによる会議を中心にウィンウィンの精神にのっとって発展していきたい」と述べ、現在の提携関係を維持することが望ましいという考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB