おととし発覚した不正会計問題の影響で「東芝」の株価が急落し、運用資産が目減りしたとして、「三菱UFJ信託銀行」など信託銀行2行は、東芝に対し、合わせて10億円余りの損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こすことになりました。
東芝に損害賠償を求める訴えを起こすのは、「三菱UFJ信託銀行」と、この銀行の関連会社で、資産管理業務を手がける「日本マスタートラスト信託銀行」です。2行は、おととし発覚した不正会計問題の影響で「東芝」の株価が急落したため、顧客から預かった運用資産が目減りしたとしています。
これについて、2行は東芝が有価証券報告書にうその財務内容を記載していたとして、ことし3月までに東芝に対し、合わせて10億円余りの損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に共同で起こすことになりました。
これについて、東芝は「事実を把握していないため、コメントできません」としています。
この問題では、公的年金の積立金を運用するGPIF=年金積立金管理運用独立行政法人の資産を管理している「日本トラスティ・サービス信託銀行」も、130億円余りの損害賠償を求める裁判を起こしています。
東芝にとっては原子力事業で巨額の損失が明らかになり、経営再建への対応を急ぐ中で、金融機関からの賠償請求が相次ぐことになります。
-- NHK NEWS WEB