伊調馨選手に対するパワーハラスメントが問題となった日本レスリング協会で、協会の広報委員を務めていた男性が、同じ委員の女性に対しパワハラをしたと認定されていたことが関係者への取材で分かりました。この男性は先月、委員を辞任しました。
日本レスリング協会では伊調選手へのパワハラ問題を受けて、去年10月、内部通報窓口を設置していて、今回の問題はこの窓口に連絡があったことで発覚し、去年12月から弁護士で作る第三者委員会が調査を進めていました。
関係者によりますと、第三者委員会の報告書では、協会からホームページ作成などの業務を委託された会社の代表で、協会の広報委員会の委員を務めていた男性が、業務を再委託した同じ広報委員を務める女性に対し、立場を利用して圧力をかけるようなメールを送ったパワハラに該当するケースが7件あったとしています。
このうち4件については、伊調選手へのパワハラが認定された去年4月以降に送られたもので、パワハラと認定されたということです。
メールには「痛い思いをさせないとならない」「パワハラと訴えるなら訴えろ」といった内容が含まれ、第三者委員会は「パワーハラスメントに対する意識改革がまさに協会内でなされようとしている中で送信されており、厳正な対応が必要だ」としています。
男性は先月、委員を辞任していて、調査の報告を受けた日本レスリング協会では「重大な懲戒処分を免れないものと思われるが、男性が辞任し処分を受ける立場になく、処分不相当と判断する」と結論づけています。
-- NHK NEWS WEB